どうもこんばんは、ばつ森です!ムーンライトノベルズ、アルファポリスを中心に、壮大なスケールで溺愛BLを書いてます。
獣人アンソロジーも✨大好評発売中✨です!!ありがとうございます!!
今回は、先月配信させていただいた軽めのモノローグ【ローナ✖️イオ】の続きです。あと数回続くかもしれません。
※おり先生の絵に合わせて、イオの1人称を『僕』に変更させていただきました!※
それでは、楽しんでいただけますように💫
EP01・02はこちらから👇
※おり先生の絵に合わせて、イオの1人称を『僕』に変更させていただきました!※
【〝腐男子書店員イオ〟のモノローグ03】
ローナが……どうやら遊び歩いているらしい。
そんな話をお客さんに聞いて、別に遊んでほしくて追い出したわけじゃないんだけどなと思いながら、はあ、とため息をついた。
最近、ローナの姿すら見ていない。騎士団の非番の日には、一緒に出版社のこと手伝ってくれてたのに、それもなくなってしまった。
さっき、ひさしぶりにローナを見かけたら……女の人と腕を組んで歩いているところで、さあっと体から温度がなくなった。
思っていたよりも、ずっとつらくて……見ていられなかった。この街から逃げてしまいたいとすら思った。
でも僕は、仕事柄……この街から出るわけにはいかなかった。
体なんて……つなげなければ、こんなに苦しい気持ちにならなかったかもしれない。
身のほどをちゃんとわきまえて、ただの幼なじみとしていられたかもしれない。
もしもBL小説の主人公だったら……どうするんだろう……と思ってから、僕は周りからローナを見て憧れてるだけの脇役だったことに気がついた。
脇役が……ローナみたいにかっこいい人に好かれるためには、どうすればいいんだろう。もしも僕が主人公なら、気持ちを伝えるだけでいいんだと思うけど。脇役の恋が上手するためにはやっぱり……自分を磨いたり、仕事がんばったり……もっと、自信を持てるようにして。
「って、うわ! ……び、びっくりした……原稿、今?」
いつも夜届くことなんてないのに、短編らしい原稿がひらひらと僕の手もとに舞い込んできた。タイミングがいいんだか悪いんだか……脇役の幼なじみが出てくる話だった。
どうか……どうかこの脇役の幼なじみが当て馬でありませんようにと祈りながら、最後まで読んだ僕の時は――止まった。
「あああッ! なんかだめそう! 自分磨きとか自信を持てるようにがんばっても、脇役は間に合わないみたい!」
わかりやすい当て馬として涙を飲む脇役の描写を見て、僕が涙を流しそうだった。
どどど、どうすれば――!
【〝そうでもない騎士ローナ〟のモノローグ03】
失恋を認めることにした……ほうがいいのか、よくわからないけど、認めたくなくないからあがきたいけど、認めたほうがいいのかもしれない。
毎晩、いろんな人と飲み歩いてて、そのあとも誘われるけど……信じられないことに、俺の心は大ダメージを受けているようで……まったくそういう気にはなれない。
騎士団の宿舎に戻るけど、掃除する気にもならない。硬い寝台の上に、脱ぎ捨てた服が山になってる。酒とかいろんな煙の匂いがついたくせー服だけど、でも、そのおかげでちょっと柔らかくていいとか思ってる。
思考とか、絵に描いたようなだめ男っぷりで、きっと包容攻め至上主義のイオに見られたら終わる。
――ああ、もう終わってたんだ。う、泣きそう。
(だめ男じゃ……だめなのかな……もう『男』に『だめ』がついてんだから……だめなんだろうな)
酔っ払いの涙腺はもろい。ぐずっと鼻をすすりながら、思いがこぼれる。
「イオとエッチしたい……」
もうそのつぶやきがだめなことだけはわかる。包容攻めの頭には性行為の欲求は浮かばないのだ。包容攻めとして『修正』する。
「なにしてるのかな、イオ。会いたいな……」
セリフを口にしただけで寒気がして、うえっと舌を出した。
包容攻めは大好きなイオが笑顔でいてくれることだけを願ってるはずで、俺みたいに……イオに甘えたくて、だらしないまま愛してほしくて、現実逃避して飲み歩いている自堕落な男とは、違う成分でできている。
包容攻めは――綺麗な景色の場所に連れ出して、姫のような扱いをして、真剣な顔で「一生守りたい」と告白するのだ。
男同士のエロ小説の体位の検証をするために、挿入はしない!
(――毎日、言いくるめてすごい検証しちゃった!!!)
もうだめだ。俺は……俺はだめ男のクズ攻め決定。
クズ攻めの話のときは、大体オメガの受けが妊娠して街から逃げ出すからなと思う。
この世界にオメガはいない。だから、イオは妊娠して逃げ出さない。イオの本屋はずっと街にあるから、イオはずっといる。
そう思ったときに、俺の頭に浮かぶのは「はらませてー」というまずい思考、一点張り! 無理……品行方正な心! 包容攻め滅びろ!
ていうか……それじゃあ俺、クズ攻めっていうか……ただの当て馬のクズじゃん。このままだと、正統派包容攻めがかっさらいにくる展開じゃん。当て馬がイオを手にいれるのには、どうすればいいんだよー……。
・
つづく
―あとがき―
読んでくださってどうもありがとうございます!
私、ローナ結構好きです。クズ攻めなのわかっててえらいね☺️でもさ、そんなにできた人間なんていないですよね。だらだらしたいし、だらしなくてどうしようもない人間のまま、愛してほしいですよねー。かっこよくない騎士がいても、いいよね? という気持ちで書いてます。
かっこよくなくて、だらしなくて、快楽にも弱くて、告白する勇気もなくて、でもズブズブにイオのことが好きなんですよ☺️だめですかね、そういう攻め。
ご意見ご感想などありましたら、waveboxへ💌
―ばつ森近況―
イオとローナのお話、更新遅くなってしまってすみませんでした!!春庭レポも書きたいと思ってたのに、結局遅れてしまってて……できれば日曜日(3/31)に配信させていただきます🌸
たくさん失敗もしましたが、でもやっぱり楽しくて☺️
お話ししたいこと、たくさんなんですよ!
それと、一応4月末に『死に戻りの悪魔王子は、愛されるための実験をはじめることにした。』配信予定で動いております。もしかしたら、5月はじめになるかもしれないのですが、でも! きちんと校了はしております🥰 今は、EPUB化の作業中です。
みなさんの週末が、楽しいものでありますように!
ばつ森
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