どうもこんばんは、ばつ森です!ムーンライトノベルズ、アルファポリスを中心に、壮大なスケールで溺愛BLを書いてます。
獣人アンソロジーも、なんかほんとに✨大好評発売中✨みたいです!!ありがとうございます!!
今回は、先月配信させていただいた軽めのモノローグ【ローナ✖️イオ】の続きです。あと数回続くかもしれません。
実はイラストを描いていただきまして、めちゃくちゃかわいいので、新年のご挨拶のときにお披露目させてください(すぐ来年の話をする)
それでは、楽しんでいただけますように💫
【〝腐男子書店員イオ〟のモノローグ02】
包容攻めっていうのは、いつも優しく、受けのことを見守ってくれる器の大きい男のことだ。
ローナは、優しいからいつもうちの本屋を手伝ってくれるし、いつも笑顔を絶やさない。黙ってるときはキリッと目もとが涼やかで、かっこいい。でも、騎士服のボタンが開けっぱなしだったりするから、僕が毎朝ちゃんと閉めてる。
なぜか終末が明けても、僕んちに居座って、うちから騎士団に通っているローナを不思議に思ってる。幼なじみだからって冴えない僕なんかと一緒にいなくても、ローナなら男でも女でも選びたい放題だと思うのに。
終末みたいな免罪符もなくなった今、僕が選ばれる道理はないし。体を重ねてしまったから、そりゃあ胸は痛むけど、でも……身のほどくらいはちゃんとわきまえてる。
でもローナが出てったあと、最近ため息が出る。でもそんなこと気にしてたら、作家さまたちの想いに応えられないし。
おばあちゃんが言ってたことを思い出す。
この世界にはたくさんの本があるけど、そのひとつひとつに、作家さまたちの想いがこもっているって。だから、おばあちゃんは作家さまたちの大切な本が、その本を求めている人の手に届くようにって、『文鳥灯』っていう古書店をひらいた。
決して有名な本ばかりを扱ってるわけじゃない。でも本のあかりを灯しておけば、そのあかりにつられて、その本を必要としてる文鳥が本当に寄ってくるから、ひとつひとつの本を大切にするんだよといつも言ってた。
そんな想いでやってきたけど、いつからか異世界から迷子の原稿が僕の手もとに届くようになった。
勇者さまみたいに召喚されたわけじゃないと思うのに、その内容が不思議と男同士の恋愛のことばっかり書いてあるから、めちゃくちゃ読んじゃって! いや、読むよね、そりゃあ。
どこからか僕のところにやってきた原稿を僕は校正して、ユクレシアで出版するっていうのを始めたのだ。どうやらニホンって国に、この世界はなにかしらの縁があるみたいで。でもニホンゴを解読するのには十分な時間が終末にあったから。ローナと一緒に解読するのも楽しかった。
正直、異世界の原稿の著作権のありかに悩んではいる。でも、原稿のままじゃもったいなくて。これは本にして出版しないとまずいと思ったんだよね。
そしたら、最近僕と同じ、男同士の恋愛が好きなお客さんも増えた。原稿のままだったお話が本になって、たくさんのお客さんに読まれていくのは本当に嬉しくて。よくわからないんだけど、なにかしらの方法で、作家さまにもこの喜びが届け〰︎って! 毎日念じてる。
今日、ローナみたいな包容攻めのお話が届いて、ローナはどんな子とハッピーエンドを迎えるのかなって考えてみてた。
でも……そしたら、なんだか悲しくなってしまって、その原稿はまた明日読むことにしたのでしたー。
【〝そうでもない騎士ローナ〟のモノローグ02】
あー……無理。今日、イオがまた包容攻めの話を読んで、すごく悲しそうな顔をしてた。涙ぐんですらいたから、そんなにいい男なのかなと思って覗いてみて後悔した。
あんな男いてたまるかよ。泣いてたり怯えてたりする受けを抱きしめるだけなことある? 俺は無理。イオが泣いてたら絶対、そのまま襲う自信があります。ハイッ。
――でも、うしろから抱きしめるだけで我慢しました。えらい。包容攻め!
正直、うるっとした瞳のままイオに見つめられたら、舐めてしまいそうだったのでうしろからにしましたー。でも、イオが今日に限ってすごく抵抗してて、慌ててる様子で、しかも……しまいには、終末終わったんだから出てってもいいんだよと言われた。
………………。
俺、なんかしてしまったっけ。騎士団の仕事が終わって帰宅して、悲しそうなイオがいて抱きしめただけ。
終末明けてからいいことないよ。俺たちの間に距離なんてなかったはずなのに、どうしてわざわざ距離を取ろうとしてるんだろう。俺はてっきり……イオも俺のこと好きでいてくれるんだと思ってたんだけどな。
イオのためなら……無理でも、そう、すごく無理でも……一生包容攻めがんばってもいいくらいに、好きなのに。
でも、あまりにも否定されるから、ひさしぶりにケンカみたいになって出てきてしまった。
酒、まずいー。ほんと、全然飲みたくないー。帰っていいのかもわからない。
ハァァー……さっきから誘ってくる人たちのこと断ってるけど、なんで断ってるのかもわからなくなってきた。つらい。
でも……イオがいい。イオに甘やかしてほしい。
本当は全然、イオに甘えさせてあげられるような器なんてない。上っつらだけ包容攻めやってるから、バレちゃったのかもしれない。
今日は寄宿舎に戻るしかないのか……絶対、ホコリだらけだろうけどさー。
・
つづく
―あとがき―
読んでくださってありがとうございました!あと2回くらい続くかなと思います! ご意見ご感想などありましたら、waveboxへ💌
―ばつ森近況―
実はちょっと仕事で新しい試みをしておりまして、まーそれがめちゃくちゃ大変で、知らないことだらけなもので毎日勉強というか。
コミュニティでもお話ししてたんですけど、挑戦しなければ失敗もしないし、恥ずかしい思いもしないとは思うんですけど😅でも、それがもしちゃんとできたら、たくさんの人のお役に立てるんじゃないかと思っているので、ほんとそれだけを願って……日々がんばっております!!
そのせいでちょっと更新が遅れたりしてますが、悪魔王子、最近すごい盛り上がっております(作者が)。ご感想もいただけたりして、ほんとに楽しく書いている話なので、本当に嬉しいですー! 長い話なのに読んでくださって、本当にありがとうございます!!
みなさんに感謝したいことだらけの1年だったので、本当は今年のまとめとかやりたかったんですけど😭時間が取れなくて本当にすみません😭でも、みなさんの2023年が本当にすばらしいものであったことを祈っております。私の2023年はみなさんのおかげで、本当に最高でした!!!
今年は本当に本当にお世話になりました!!!
あたたかなよいお年を、お迎えください!
ばつ森
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